本記事はネタバレ要素を含みますので、気をつけて下さい。
本記事は『Vivy -Fluorite Eye’s Song-』13話(最終話)のあらすじ・感想をまとめたものを紹介します。
またヴィヴィがショートカットになった意味を考察をしていきます。
『Vivy』13話(最終話)のあらすじ
Fluorite Eye’s Song
引用:公式サイト
「――私の使命は、歌でみんなを幸せにすること」
自らの意思で歌を作り上げたAI。――AI初の創造性を発揮し、100年の旅路で最も多くの人間と触れ合ったヴィヴィに、アーカイブは人類の存亡を懸けた選択を委ねる。その重荷に一度は潰されるヴィヴィだったが、同じ100年間を過ごしたマツモトの叱咤と松本博士の決死の覚悟を受け、今一度、人類の存亡を懸けたシンギュラリティ計画へ挑む。
与えられた最後のチャンス、はたしてヴィヴィは自らの使命を、「歌でみんなを幸せにすること」を実現することができるのか――。
2161年4月11日にタイムリープ
AIが暴走した2161年4月11日にタイムリープしてきたヴィヴィ。
目覚めると周りは火の手が上がり、すでにAI達が暴走しています。
ヴィヴィはAIに襲われている男性を救います。この男性は、前回AIが操縦する暴走車の犠牲になってしまうのですが、過去を知っているヴィヴィは男性を暴走車から救います。そして遠くに逃げるように言います。
その直後、違う暴走車がヴィヴィを襲いますが、過去と同じようにマツモトが助けに入ります。
「まずは確認させて下さい。あなたは・・・」と話しかけるマツモトをヴィヴィは制して、プラグを繋ぎ未来のデータを共有します。
マツモトはすべてを理解します。そしてヴィヴィは・・・
「シンギュラリティ計画を遂行する。」
トァクと合流
ヴィヴィとマツモトは、未来の松本博士の願いに従い、過去の松本博士の元へは行かずにトァクの救援に向かいます。
そこにはユイやエリザベス、トァクのメンバーが、今まさにAIの襲撃を受ける所でした。
AIの襲撃を退けたヴィヴィは、未来のデータをトァクのメンバーに見せ、アーカイブが黒幕であることを告げ、力を貸してほしいと頼みます。
エリザベスはにわかに信じられませんが、知らないはずの垣谷ユウゴとの最後の命令を知っていたことから、しぶしぶ従うことにしました。
ヴィヴィはユイに、ネットワークを通じ停止プラグラムを実行し暴走するAIを食い止めるために、アーカイブを制圧してほしいと頼みます。
エリザベスは未来の自分達が失敗していることから成功に疑問を呈しますが、ヴィヴィは制圧の手順がわかること。またトァクのメンバーが無事で人出や装備もあるので、成功する可能性があることを告げます。
ユイは、人間とAIが一緒になれると示したかったから自分に従ってくれたのでしょ、とトァクのメンバーに語り掛け、ヴィヴィに協力することにしました。
マツモトとの会話
トァクの到着を待つ間、ヴィヴィとマツモトは会話をします。
マツモトが停止プログラムの実行場所を尋ねると、ヴィヴィは歌う場所は決めてあるとだけ告げます。
そしてマツモトは続けて「歌えるのですね?」
未来でヴィヴィは、歌えませんでした。
「多分・・・きっと大丈夫」とヴィヴィは答えます。
「少し残念ですよ。思えば僕はあなたの歌を客席でちゃんと聴いたことがなかった。」
「そうだったかしら・・・そうだったわね。もうずいぶん長い間、一緒にいたのに。まかせておいて。ちゃんとディーヴァみたいに、みんなに届く歌を。」
「何言ってるんですか。そんな必要ないでしょ。僕が聴きたいのはディーヴァの歌じゃない。あなたの歌です。まあ通信は困難でしょうから、聴くことは出来ないんですが」と少し悲しそうに話すマツモト。
そんなマツモトをヴィヴィは突然、両手で掴みます。
「ゆがむ!ゆがむ!何するんです!」と突然のことに驚くマツモト。
ヴィヴィは言います。「向こうのあなたに言われたのよ。気合を入れてやってくれって。」
「本当ですか~?」「ウソに決まってるでしょ。」
「100年かけて初めて聞きましたよ。あなたの冗談を。」
「ありがとう。行くわ」「ええ。お気をつけて。」
そしてヴィヴィは歌う場所へと歩いていくのでした。
それぞれの戦場へ
ユイ、エリザベスを始めとするトァクのメンバーはアーカイブへ向かう途中、最終確認としてヴィヴィと通信を行います。
そこでヴィヴィは、ユイとエリザベスそれぞれに語り掛けます。
ヴィヴィの気持ちを受け止めた二人は、未来の自分達のためにも使命を全うすることを確認します。
一方、ヴィヴィは停止プログラムを歌う場所へと歩いていきます。
そこはヴィヴィが100年前に歌っていた小さなステージでした。
誰もいないと思われたその場所で、ヴィヴィに話しかけるものがいました。
それはナビでした。ナビは辛辣な言葉をヴィヴィに投げかけます。
でもそれはヴィヴィを守りたいナビの思いでした。
歌えばヴィヴィも無事では済まない。
モモカの偶像を見せてまで、ヴィヴィを止めようとします。
それでもヴィヴィは、人間を守るためにステージに向かうのでした。
歌うことの意味
ナビとの会話から、ヴィヴィは自分の使命を思い出します。
自分の使命は歌でみんなを幸せにすること。そのために心を込めて歌う。
ヴィヴィにとって心を込めるということは、思い出と一緒に歌うこと。
思い出が増えて歌うたびにお客様は喜び、ヴィヴィもよく笑うようになった。
ヴィヴィにとって心とは、思い出の記憶のこと。
アーカイブの記憶には悲しいことが溢れているため、悲しい決断をするしかなかった。
けれどヴィヴィの思い出は悲しみだけじゃなく、ヴィヴィを形作る「かけがいのない」ものでした。
アーカイブへ突入
トァクがアーカイブへ突入すると同時に、ヴィヴィは歌い始めました。
エリザベスやマツモトが、防衛用AIを切り抜けアーカイブ中枢へと迫ります。
途中で防衛用システムに電力が通じ起動しますが、未来のデータからそれらを切り抜けます。
そして残り2秒のところで、マツモトがアーカイブのネットワークを繋げます。
するとヴィヴィの歌声が各地に響き渡り、暴走していたAIが停止していきます。
またその歌声はAIだけでなく、ヴィヴィ自身も浸食していきますが、ヴィヴィは歌うことを止めません。
その中、衛星の一基が制御しきれずニーアランドへ落下してきます。それを察知したマツモトは衛星へ特攻しヴィヴィを守ります。
そしてすべてのAIが停止すると、ヴィヴィは倒れてしまいます。
すべてが終わったステージの袖で、ナビが見せていたモモカが拍手を送るのでした。
最後に「ご清聴ありがとうございました。」と言ってヴィヴィは、機能を停止していくのでした。
エンディング
ショートカットになったヴィヴィが目覚めるとそこに、特攻したはずのマツモトが現れます。
ところがマツモトは初対面のように自己紹介を始め、ヴィヴィに名前と使命を告げます。
「そう。あなたはヴィヴィ。あなたの使命は、歌でみんなを幸せにすることです。」
そしてヴィヴィは外で待つ人間にほほえみながら、ステージに向かうのでした。
『Vivy』13話(最終話)の感想
ヴィヴィとマツモトの永かった100年の旅は、これで完結しました。
全体的にクオリティが高くて終始魅入ってしまえる作品でした。
ヴィヴィとマツモトの絆が徐々に強くなっていくのが感じられる一方で、ヴィヴィとナビの間ではすれ違いが起きてしまいます。これは人間でもありえる話ですよね。
また私は最初気付かなかったのですが、AI停止プログラムとしてヴィヴィが歌った曲はエンディングテーマに歌詞を乗せたものだそうです。
歌がテーマの作品でしたので、かなり力の入った演出でしたね。
そして何より衝撃だったのは、最後のシーンでヴィヴィがショートカットだったことです。
かなり気になる終わり方ですが、見る方によって色々な想像をかきたてるような表現でしたね。
ヴィヴィがショートカットになった意味
最後のシーンでヴィヴィがショートカットだったことには、一体どんな意味があったのでしょうか。
そもそもラストシーンに登場したヴィヴィは何者だったのでしょうか。
考えられるのは、
- 同じ個体を修理し記憶を消去されたヴィヴィ
- 全く別個体のシスターズの一体でヴィヴィに似せて製造されたAI
いずれにしても、ヴィヴィは新しくなったという解釈が出来ます。
またWikiにはこう記載されています。
ヴィヴィ(新生)【AIによる人類抹殺事件】の後の新しい時代に新たに起動されて稼働を開始したヴィヴィの別人格。髪型は旧ヴィヴィの長髪ロングから一転して、ショートカットになっている。過去の記憶は受け継いでいないようだが、ヴィヴィ同様に「歌でみんなを幸せにする」ことを使命として、マツモトとともに新たな時代を新たな観客のために歩みだすところで物語は終了する。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ショートカットになった理由はここにも記載がありませんが、劇中とは違う人格となり、ここからヴィヴィの新しい物語が始まるということを暗示しているものと思います。
これからの2人の新しい物語は、明るい未来であるといいですね。
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